シニアの方のスマートフォンデビューを始め、オンラインでのおしゃべり相手、文通、交換日記など、高齢者との交流サービス「おしゃべりクラブひまわり」を手がける沖原さん。

初めてビデオ電話を体験された高齢者の喜ぶ姿や気難しかった方が笑顔になっていかれる様子を見るのが嬉しくてたまらないそう。「自分が楽しいからやっているの!」と弾けるような笑顔で語る沖原さんに、シニア向けサービスを始めたきっかけやその想い、情熱を傾けていることについて尋ねた。

 

―なぜ「おしゃべりクラブひまわり」を始めようと思ったのですか?

3年前、飲食店をやりたいけどまだ中高生の子どもを置いて夜遅くなるのは難しいかな?と考えていた時、オンラインならできるのでは?と、オンラインでおしゃべり相手をするお仕事を始めました。当初はご縁のあった経営者の方や年齢的に銀座に行くのがしんどくなったという方などが主なお客様でした。それがある日、お豆腐をパックのまま、お独りで召し上がっているおじいさんをテレビでお見かけしたのです。
「ひょっとしたら、私ならこんな方のお話し相手にもなれるのでは?画面越しであっても一緒にご飯を食べられるのでは?」
そう思ったのがきっかけです。

―「おしゃべりクラブひまわり」は、どのようなことをされているのですか?

主におひとり暮らしの方のおしゃべり相手です。オンラインだけで展開するはずだったのですが、やっぱり難しい方もいらっしゃるので、文通や交換日記、メールやお電話もご利用いただいています。一番人気があるサービスは文通なんですよ。年代的にもお手紙を書くのがお好きな方が多いようで、手が震えて文字が書きづらいという方でも「少しずつで大丈夫ですよ」とお声かけしながら楽しく文通しています。

―「おしゃべりクラブひまわり」で直面した問題はありますか?

高齢者の方にとってオンラインへのハードルの高さはこちらの想像をはるかに超えていて、スマートフォンやオンラインの先生もしています。シニアの方に、お電話を通してスマートフォンの操作を教えるのは本当に至難の技!けれど、初めてビデオ電話を体験された方の「わぁー!」という歓声を聞くと、この仕事はやめられない!と思います。

―お仕事を支えている情熱は何ですか?

人の人生が変わっていく瞬間に立ち会えることが多く感動の連続なんです。先日ある高齢者の方が、スマートフォンを使えるようになったことで何十年も離れていた家族を探し当てて大変喜ばれました。他にも、最初は心を閉ざしていた方が朗らかになり、外に出かけるきっかけが生まれて世界が広がっている。そんな方が「ひまわり」を卒業していくのも見届けたいですね。皆さんが笑顔になっていく姿にこちらが元気をもらっています。

―これからの展望はどのようなことですか?

私は小さい頃から、仲間外れが嫌いなんです。その延長というか、孤独になりがちな高齢者の方にも「一緒に遊ぼう」と声をかけたい。「誰一人置いてけぼりにしたくない」という想いがあるから、多くのひまわりさん(お話相手をするスタッフ)を育てて、今後は、デイザービスの夜の時間帯を利用して居酒屋さんごっこをしたり、次世代シニア向けのやんちゃな遊び場づくりもやっていきたいです。
今は晩婚化が進んで、子どもにまだ手がかかる時期に、親にも手がかかるようになってきたという方が増えてきていますので、「じっちゃん、ばっちゃんの遊び相手は私にまかせて」と伝えたいです。

―周りの方からよく言われる言葉は?

高校生の娘が二人いるのですが、そんなに大きなお子さんがいるようには見えないとよく言われます。
あとは、いつも笑っているね、ひまわりみたいだね!というのも、嬉しいお言葉です。
明るいひまわりのように、ガバっと太陽を向いて咲く人でありたいです。

―家事と会社の両立は大変だと思いますが、NMNサプリを飲まれていかがですか?

疲れている顔では、おしゃべりの仕事は務まりません。朝のご挨拶をさせてもらっているご利用者様もいらっしゃいます。だからいつでもイキイキと相槌を打つためにも、元気でいたいですから、これからも続けていきたいです。

―ご自身でトライしたいことはありますか?

子供の頃ピアノの上達のためにドラムを習っていて、1年前に再開しました。
じっちゃんやばっちゃんたちと音楽でも遊びたいですね。
実際にじっちゃんばっちゃんが気軽に遊びに来られるお店もオープンしたいです。

読者へのメッセージ

私は、大学卒業後、すぐに結婚してパート主婦からオンラインビジネスを立ち上げ、会社をつくりました。
人生、何が起こるかわからないということを、身を以て体験中です。
どんな小さなことでも自分のやりたいことは全部やりましょう!それを応援してくれる人は、必ずでてくるはずです。