マキアレイベルのコミュニケーターとして、仕事を始めてから丸1年が過ぎた。
電話の接客は初めてではあったが、化粧品も元々好きで接客業を長くしていた私にとってお客様対応は楽しく、商品のご提案にもやり甲斐を感じていた。そんな時、お化粧品が女性にとってどれほど大きな存在と成り得るのかを知ったお客様との出会いがあった。
それはマキアレイベルが1年に1度、冬期限定で発売するエクストラリセットクリームの販売時期の事である。毎年楽しみにお求めいただくお客様、私達からのご提案で期待半分不安半分で初めてご購入いただくお客様さまざまではあるが、皆様『キレイになりたい』という思いを持って購入下さっている。そんな時に、一人のお客様からクリームのご注文のお電話を受けた。ひとしきりお話をし、ご注文を承ったその時、お客様から思いもよらないお話を伺った。
「私にとってこのクリームは、私を救ってくれたかけがえのないものなんです」という言葉でそのお話は始まった。

もう1回やれる私!まだまだ出来る!
「私は東日本大震災の津波で、家と経営していた飲食店、二つを一瞬にして無くしました。何が自分の身に起こったのか分からず、現実を受け止めることも出来ず、ただただ絶望と喪失感に打ちのめされていました。
『どうしてこんなことになったんだろう』『これから先どうやって生きていったらいいんだろう』『いつまで元気でいられるんだろう』『お店のお客様は待っていてくれるのだろうか』。
心に浮かぶことは全部そんな不安な思いばかりで。
何をする気にもなれず、当然お肌もボロボロでひどいものでした。そんな時、たまたま手元にあったマキアさんの『クリーム』を肌に塗ってみたんです。何故塗ったのかも良く覚えていません。そしたらこのクリーム、疲れた私の肌をまるでいたわってくれるかのようにすーって入ってくれたんです。何て気持ちがいいんだろうって思いました。
そして翌朝、自分の肌を鏡で見てまたビックリしました。ふっくらして、ハリが出ていたんです。掌をあてると本当にふっくらしてて。その瞬間何故かしら私、笑っていたんですね。
そして笑いながら『もう一回やれる私!まだまだ出来る!』って中から元気が湧きあがってきたのを感じたんです。その後涙も出てきて。泣きながら笑ってました、私。不思議でしょう?
知らない人が見たら気持ち悪かったでしょうね(笑)。

化粧品は“生きる力の源”
その時を振り返ると、何て言ったのか良く覚えていない。ただそれまで私にとっての化粧品は「肌を美しく保つもの」だった。それが一変した。
クリームをつけて元気になった肌が、未来のお客様そのものになった。生きる『力』になったんだと知った。クリームが、化粧品がお客様によって、いろいろなものに変わることをその時私は学んだ。
この時を境に、お客様にキレイになっていただきたい、という思いはより強くなった。ご提案もよりお客様にあったものであるために、お客様のお話を聴くようになった。するとお客様からたくさんのお話を聴くことが出来るようになった。
寝たきりの奥様に代わって毎年クリームをご注文くださるご主人様がいらっしゃった。毎朝毎晩ご主人様が奥様にクリームをつけておられるお話を聞かせてくださった。
別の機会には、肌に自信がなくて、いつも俯いていたお客様からお話を伺った。人と目を合わせて話せないのに営業の仕事についてしまった。けれど、マキアレイベルの化粧品で肌がキレイになり、自信ができたことで営業成績も上がった、と明るい声で話してくださった。
化粧品はお肌のためのもの。ではなく、お客様にとってかけがえのない「何か」に代わる。ご夫婦のコミュニケーションツールや自信、そして生きる力にさえも。
私は以前にもましてこの仕事が大好きになった。そしてマキアレイべルの商品が、お客様にとってかけがえのない「何か」に変われる事を願って、これからもお客様をお迎えしていきたいと思う。
※お客様との会話を元に、編集・加筆しています。