わたしとこれから 夢を叶えた女性たち vol.2

思わぬ反響があった41歳での高齢出産

普通に結婚して妊娠、出産を経てママになる。この自然な流れを、当時の私は信じきっていました。だから私が40歳で妊娠した時に、職場の人や友人、知人から“本当によかったね”“勇気をもらえた”“希望が持てた”といった数々の反響があったことに、驚きを隠せなかったんです」と話すのは、現在、フリーペーパー『La・cigogne』(ラ・シゴーニュ)の編集長を務める永山佳代さん。
以後、妊娠に関する相談を受けるようになった永山さんは、世の中には望んでも妊娠できない人がいるということを知る。「今思えば、この時はまだどこか他人ごとだったのかもしれません。」

41歳で無事出産したものの、数年後、2人目を望んだときにはなかなか授からなかった。「正直、加齢がこんなにも妊娠に立ちはだかる問題だとは、思いもよりませんでした。一年間、不妊治療を続けてみたが願い叶わず。それまで無知だった自分を責めた時期もありましたが、夫婦で話し合い治療は止めて、前向きに切り替えることにしたんです。」

隔月(偶数月20日)に発行している『La・cigogne』のバックナンバー。『La・cigogne』とは、フランス語でコウノトリを意味する。

隔月(偶数月20日)に発行している『La・cigogne』のバックナンバー。『La・cigogne』とは、フランス語でコウノトリを意味する。

取材・執筆は基本的に永山さんが行っている。インタビューからお悩み相談になる場合もあるとか。

取材・執筆は基本的に永山さんが行っている。インタビューからお悩み相談になる場合もあるとか。

いつも持ち歩いているというパワーグッズは、起業時に友人からもらったパワーストーンと、子どもからもらったお手紙。

いつも持ち歩いているというパワーグッズは、起業時に友人からもらったパワーストーンと、子どもからもらったお手紙。

子どもの異変に気がつき、会社を辞めて一旦リセット

ある日のこと。実母の協力もあり、育児と家事、仕事のバランスを上手くとっていた永山さんだったが、2歳になった長男が休日になるたびにピッタリとくっついてくる。どこに行くにも離れない。それはトイレの中にでもついてくるほどだった。異変を感じた永山さんは、息子さんのことが心配になり、一旦リセットして子どもといる時間を作ろうと、20年間勤めた会社を辞めた。

「家に入ってみると、すぐに子どもの症状は落ち着いたものの、家事はすぐに終わるし、どうしても時間を持て余してしまうんです。何かやっていないと気がすまない性分もあって、当時、特に起業に興味があったわけではありませんでしたが、たまたま『市政だより』で目にした起業塾に通い始めたんです。」

講義が進み、課題をこなすうちに、永山さんは現代の女性にとって、自身の不妊経験で得た気づきに需要があるのではないかと考える。「私も早くに正しい知識があれば、また違った生き方をしていたのかもしれません。現代の働く女性の選択肢を広げるために情報誌を作りたい。この欲求が私を起業家へと導いて行ったんです。」

46歳で起業し、フリーペーパーの編集長へ

これまでの自身の経験と啓蒙の意味を込めて、昨年6月、結婚・出産(不妊)に悩む現代の女性のための情報誌『La・cigogne』を創刊。 「経営者は会社員とは違った責任があり、不安は常につきまとっていますが、さまざまな人たちとの出会いによって、いろんな立場で物事が考えられるようになりました。私は決して結婚や出産を推奨しているわけではありません。人それぞれに、さまざまな生き方があると思っています。ただ見た目年齢が若くても、生殖機能には限界があるということを理解していただきたいのです。すると、子どもを産みたい方は早い段階からライフプランを考えることもできますし、ワーク・ライフ・バランスを考えた働き方もできると思うんですよ。」

『La・cigogne』ではできる限り、読者の声を元にした身近なテーマを取り上げている。だからだろうか。読者からのお便りも多く、その中に永山さんを喜ばせたこんな一文があった。「家庭に入って家事や育児をしていると、社会からおいていかれる気がして不安になるのですが、『La・cigogne』を読んでいると社会とつながっている感じがします。」

創刊して一年半。「制作だけではなく、スポンサー探しや資金のやりくりなど大変ですが、今後の目標は一号でも長く続けていくこと。」永山編集長の覚悟のほどが感じられた。

昨年12月に福岡市内で行った「婦人科ドクターに学ぶイベント」のワンシーン。

昨年12月に福岡市内で行った「婦人科ドクターに学ぶイベント」のワンシーン。

読者へのメッセージ

ヒストリー

1967.1 (0歳)
鹿児島県大口市(現在の伊佐市)で誕生
1987.3 (21歳)
短大卒業後、電話機メーカーに就職
1989.3 (23歳)
製薬会社に就職
2006.2 (39歳)
結婚
2008.8 (41歳)
出産
2011.8 (44歳)
会社を退社
2012.9 (45歳)
起業塾に通い始める
2013.6 (46歳)
ツリーオブワン創設
2013.6 (46歳)
フリーペーパー『La・cigogne(ラ・シゴーニュ)』創刊
2013.12 (46歳)
「女性に知ってもらいたいカラダのこと」をテーマにイベントを開催。
現在に至る。

※ 年齢は取材時のものです。

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